帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こります。小児期に水痘にかかると、治った後もウイルスが体内の神経節に潜んでいて、加齢・疲労・ストレスなどにより免疫力が低下したときに再び活動を始め、帯状疱疹として発症します。 50歳代から増加し、70歳代でピークとなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症すると推定されています。
帯状疱疹のおもな症状は、皮膚に痛みを伴う発疹(水疱)が帯状に出現することです。 通常、痛みもしくはかゆみが、発疹が現れる2~3日前から現れます。 その後、新たな発疹が3~5日かけて出現し、皮膚が元に戻るまでに1か月ほどかかります。
帯状疱疹の代表的な合併症として、皮膚が元に戻ったあとに痛みだけが残り、数カ月から数年持続する帯状疱疹後神経痛があります。
帯状疱疹の予防には、日頃から栄養バランスのとれた食事や、十分な睡眠などの体調管理を心がける外、ワクチン接種を行い免疫を強化することで、発症率や重症化が抑えられます。また、間接的に帯状疱疹後神経痛の発症リスクを低減させるとされています。
令和7年4月より帯状疱疹ワクチンが定期予防接種となりました。
(1) 令和7年度中に以下の年齢になる方
65歳:昭和35年4月2日から昭和36年4月1日生の方 | 70歳:昭和30年4月2日から昭和31年4月1日生の方 |
75歳:昭和25年4月2日から昭和26年4月1日生の方 | 80歳:昭和20年4月2日から昭和21年4月1日生の方 |
85歳:昭和15年4月2日から昭和16年4月1日生の方 | 90歳:昭和10年4月2日から昭和11年4月1日生の方 |
95歳:昭和5年4月2日から昭和6年4月1日生の方 | 100歳:大正14年4月2日から大正15年4月1日生の方 |
(2) 100歳を超える方
(3) 60歳から64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害により日常生活がほとんど不可能な方(身体障害者手帳1級程度)
※ 対象者は年度によって異なるため、接種の機会を逃さないようご注意ください。
令和7年4月1日から令和8年3月31日
帯状疱疹ワクチンは2種類あり、接種方法や効果とその持続期間、副反応などの特徴が異なっていますが、いずれのワクチンもた帯状疱疹やその合併症に対する予防効果が認められています。
生ワクチン(大阪微研) | 不活性化ワクチン(GSK社) | |
---|---|---|
接種方法 | 皮下に注射 | 筋肉内に注射 |
接種回数 | 1回 | 2回(2か月以上の間隔を空ける) |
接種条件 | 病気や治療により、免疫の低下している方は接種できない | 免疫状態に関わらず接種可能 |
接種費用(自己負担額) | 4,600円※ | 16,600円/回※ |
※生活保護受給者は接種費用の自己負担はありません(無料)
接種方法: 皮下に注射
接種回数: 1回
接種条件: 病気や治療により、免疫の低下している方は接種できない
接種費用(自己負担額): 4,600円※
接種方法: 筋肉内に注射
接種回数: 2回(2か月以上の間隔を空ける)
接種条件: 免疫状態に関わらず接種可能
接種費用(自己負担額): 16,600円/回※
※生活保護受給者は接種費用の自己負担はありません(無料)
生ワクチン(大阪微研) | 不活性化ワクチン(GSK社) | |
---|---|---|
接種後1年時点 | 6割程度 | 9割以上 |
接種後5年時点 | 4割程度 | 9割程度 |
接種後10年時点 | ー | 7割程度 |
注 帯状疱疹後神経痛に対するワクチンの効果は接種後3年時点で生ワクチンは6割程度、不活化ワクチンは9割程度と報告されている
接種後1年時点: 6割程度
接種後5年時点: 4割程度
接種後10年時点: ー
接種後1年時点: 9割以上
接種後5年時点: 9割程度
接種後10年時点: 7割程度
注 帯状疱疹後神経痛に対するワクチンの効果は接種後3年時点で生ワクチンは6割程度、不活化ワクチンは9割程度と報告されている
ワクチン接種後に以下のような副反応がみられることがあります。
生ワクチン(大阪微研) | 不活性化ワクチン(GSK社) | |
---|---|---|
70%以上 | ー | 疼痛 |
30%以上 | 発赤※ | 発赤※ 筋肉痛 疲労 |
10%以上 | そう痒感※ 熱感※ 腫脹※ 疼痛※ 硬結※ | 頭痛 腫脹※ 悪寒 発熱 胃腸症状 |
1%以上 | 発疹 倦怠感 | そう痒感※ 倦怠感 その他の疼痛 |
※ ワクチンを接種した部位の症状 各社の添付文書より厚生労働省で作成
70%以上: ー
30%以上: 発赤※
10%以上: そう痒感※ 熱感※ 腫脹※ 疼痛※ 硬結※
1%以上: 発疹 倦怠感
70%以上: 疼痛
30%以上: 発赤※ 筋肉痛 疲労
10%以上: 頭痛 腫脹※ 悪寒 発熱 胃腸症状
1%以上: そう痒感※ 倦怠感 その他の疼痛
※ワクチンを接種した部位の症状。各社の添付文書より厚生労働省で作成
帯状疱疹ワクチンの接種を実施しております。ご予約が必要です。お問い合わせください。
帯状疱疹ワクチン | 生ワクチン(大阪微研) | 不活性化ワクチン(GSK社) |
---|---|---|
ワクチンの種類 | 生ワクチン | 不活化ワクチン |
接種回数 | 1回 | 2回(2ヶ月後に2回目) 遅くとも6ヶ月後までに接種 |
帯状疱疹発症予防効果 | 約50〜60% | 約90〜98% |
帯状疱疹後疼痛予防効果 | 約67% | 約90% |
持続効果 | 5年程度 | 9年以上 |
接種方法 | 皮下注射 | 筋肉注射 |
副反応 | 接種部位の痛み・腫れ・発赤 (比較的稀/3日〜1週間で消失) |
接種部位の痛み・腫れ・発赤 (高率に発症する/3日〜1週間で消失) 頭痛・筋肉痛・疲労 |
禁忌 | ・製剤へのアレルギー ・免疫不全者 ・妊婦 |
・製剤へのアレルギー |
料金 | 8,000円(税込) | 20,000円/1回(税込) ※2回の接種が必要です |
その他 | 免疫が低下している方には接種できません | 免疫が低下している方にも接種できます |
肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌という細菌によって引き起こされる病気です。この菌は、主に気道の分泌物に含まれ、唾液などを通じて飛沫感染します。日本人の約3から5%の高齢者では鼻や喉の奥に菌が常在しているとされます。これらの菌が何らかのきっかけで増殖することで、気管支炎、肺炎、敗血症などの重い合併症を起こすことがあります。
肺炎球菌は100種類以上の血清型に分類されていますが、定期接種で使用される「ニューモバックスNP (23肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」は、そのうちの23種類の血清型に効果があります。また、この23種類の血清型は、成人がかかる肺炎球菌感染症の原因の約7割を占めるという研究結果があります。
接種後に接種部位の症状(痛み、赤み、腫れなど)、筋肉痛、だるさ、発熱、頭痛などがあります。接種後に気になる症状や体調の変化